この旅がスペシャルになった日だった。
大好きなエマリーのユートピアにいってみたかった。
エマリーはもういないけど、どんな場所でどんな世界をみていたのか、感じにその場所にとても惹かれていた。
オーストラリアにいるのだから、
その地を訪ねてみようとノーザンテリトリーへ
砂漠の中に突如現れるAlice Springs
到着した日は日曜の午後だった。
街にでてみると、店は日曜日のためクローズ
手がかりになりそうなMUBANTUAギャラリーもお休み。
人もほとんどいない
ふらりとしているところに唯一オープンしていたギャラリーに入る
興味のある絵はなかった。
スタッフに「ユートピアに行ってみたい」と言ってみた。
アボリジニの居住区には許可がないとはいれないのですぐには難しいと言われる。
「アボリジニアートを描いているのをみてみたいんだ」と言ってみると
「うちのスタジオでも描いているよ、明日の朝にいってみたら」と住所をもらった。
ちょっと遠かったので「行けたらいくわ」と返事をした。
明くる日。朝から丘に登ったりしてDesert Springsを散歩
見渡す限りの赤土の山。
ふと、スタジオに行ってみようと思い、歩いて40分程迷いながらスタジオについた。
アートを見たいと言うと、ストックルームをみせてくれた。
雑然と並べられている、まだ額にはいっていないたくさんの絵画たちを一枚一枚みさせてもらった。
好きなのあった?と聞かれ
「これが気になる」とKuddtjiと描かれている四角い抽象絵画を指す。
「ちょうど今日、彼が午後にくるわよー、待っていたら会えるわ」と教えてくれたので
時間もあるし、なんとなく待たせてもらうことに。
しばらくすると、アボリジニのおじいちゃんがやってきた。
そしてゆっくりランチをし、おしゃべりをしゆっくり描き始めた。
おじいちゃんは90歳近いらしく、耳も遠いのだけど、よく笑い、キュートで私によく話しかけてくれてとても楽しい時間を過ごしました。
なんで絵を描くのか聞いたら、家族にお金を残せるからと。
え、お金っと思ったけど、ずーっと大地と共に暮らしてきたけど、いろいろな人が入ってきて、この時代と生きるためのあたりまえのことなのかなーと腑に落ちる。 なにより楽しそうに描いているのがいい。
楽しく、自分のできることでお金にして家族で暮らす。
不便で電気もない暮らしているが、携帯電話をもっているような感じ。。。
なんとも言えないが、今らしい時代だなと思った。
楽しい時間を過ごした後、Kuddtjiおじいちゃんが日本用だと言ってくれた小さな作品を買って別れを告げた。
この夕方昨日開いていなかった Emilyの作品のあるMUBANTUAギャラリーを訪ねた。
日本人のTomokoさんが案内してくれた。
みたかった「大地の創造」を生でみることができた。
大きな壁のようなキャンバスいっぱいに描かれた力強くあたたかなエマリーを感じる。
Tomokoさんにエマリーの故郷UTOPIAに行けないか訪ねてみるが、やはり許可がいるし距離もあるのでいけるタイミングがなかなかないとのことでした。
私の熱意に(?笑)Tomokoさんがまだ別にもストックがあるとのことで、倉庫に連れて行ってくれました。
そこでもたくさんのエマリーの作品をみることができ Tomokoさんと「いつか買いにきます!」と盛り上がりました。
そんな中で、今朝アートスタジオでKuddtjiおじいちゃんに会ったと言う話をすると
「あらー、来てたのね KuddtjiさんはEmilyの弟よ」とサラリ
「えーーうっそー、今日会って話したおじいちゃんとエマリーが兄弟?!?」
あーここにこれてありがとうございます!!
Kuddtjiおじいちゃんありがとう!!!
Emilyにつながった気がしたその夜は興奮覚めやらなかった。
今でもこんなtrickyなことがあるなんて!と振り返る。
神様ありがとう!
Alice Springsでのサプライズに満たされた私は聖地Ululuを目指すことにした。
2000年にウルルに行った時は涙がでた。
その地にまた行ってみようと。
ユートピアに行こうと時間はたっぷりあったので、朝から晩まで晴れの日も雨の日もただただUluluを見続けた。
Ululuの伝説を思いながら、ミュータント・メッセージの世界を想像しながら、エマリーに会えたこと、地球とつながること、いま赤土の上にいることを楽しんだ贅沢な時間だった。
10年経ってここにこれた時、私の世界は少し変わっていた。
大好きだったチャコが死んでしまって世界が儚く思っていたけど、それも私の一部で世界の一部あると思うことができた。ここまでこさせてくれてありがとう。
エマリーが言った「すべてのものこそが私が描くもの」が私の世界の見方でもある。
チャコに私に愛を込めて。
Kuddtji Tjungurrayi |